アニメ「攻殻機動隊」の第6話で、少佐が課長とエレベータ内で会話をするシーンがある。そのエレベータの内壁なのだけど、大変メタリックで、金属板を幾何学的に継ぎ接ぎしたような外観になっている。そういう継ぎ接ぎメタリックの表現技法は近未来SF全般に広がっているようで、よくお目にかかる。不思議なことに、あれを見て私たちは「近未来だあ」と感じるようになっているようだ。でもどうなんだろう。
第7段から第9段までを俯瞰すると、両文字に「見慣れてはいるが異質」(第7段から第8段)、「未開にして巨大な恐怖国家」(第9段)という二つのイメージが共通していることに気づく。思うに、この二つのイメージこそサイバーパンクにおける重要なファクターなのではないだろうか。言ってしまえば、サイバーパンクの本質はラッカーが言ったような新しさにあるのではなく、むしろ逆、どこか前時代的な不安感にあるのではないか、というのが今のところの私の考えだ。多分。
歴史的に見て両文化とも独裁・閉鎖国家の傾向が強い。現在でもロシア聯邦は極めて強権的な閉鎖的国家である(スパイ事件などを想起すればわかりやすいか)し、中華人民共和国などは言うまでもなく完全な閉鎖独裁国家といえよう。また、両文化とも、進歩主義的な観点を採用するとすれば、政治的にも経済的にも、あるいは技術的にも後進的な国家であろう。また、両地域ともに共産主義の一大拠点だった事実にも注目したい。
繁体字、簡体字の特徴は日本人からすれば、ある程度親しみがある反面、まったく異質な要素をも含む、と言う点が挙げられる。たとえば「伝」という字ひとつとっても、繁体字では「傳」、簡体字では「传」だ。繁体字との差異は国語改革という「劃期的な」発明の賜物であるが、それにしても簡体字は異質という他ない。また、文章のすべてが漢字のみで構成されているというのも大きな特徴だ。
第6段について。サイバーパンクの土台となるコンピュータ/インターネット技術は、そのほとんどが英語文化圏で開発され、内部でお目にかかる文字もラテン文字基本の26文字だ。またコンピュータ以外でも、ラテン文字は比較的日本人になじみの深いものであろう。もちろんドイツやフランス等では、合字やダイアクリティカルマークなども使われるため、日本人にとっては見慣れないものとなりうるが、それでも基本26字の面影は残っているため、まったく違った印象、とまではいかない。対してロシアを中心に使われるキリル文字は、同じヨーロッパ系の文字であるにもかかわらず、10余りの字を除いて他に類を見ない、まったく異質のものという印象を受けやすい。ラテン文字と違い、どう発音するのか見当すらつかないことも多い。
いかがわしくきな臭いことを